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知ってトクする確定申告情報!

 令和元年分の所得税の確定申告が始まりました。パソコンでの申告や、携帯電話での申告等、比較的簡単に申告ができるようになりましたが、それでも、「やっぱり難しい」「時間がかかって大変だ」と思われる方も多いようです。
 また、年金だけでは心もとないので、株取引益や配当収入が少しあるが、「申告は必要なの?」と迷われる方も多いと思います。
 今回の「知ってトクする税情報」では、特定口座内での上場株式の申告関係についての情報をQ&A方式でお知らせしたいと思います。

Q1 特定口座が複数あって、プラスとマイナスがあるのですが、申告すると国民健康保険の掛け金や介護保険の保険料や窓口負担が多くなるって聞いたけど、本当?

 本当です!(状況によりますが)
 特定口座での上場株式等の取引のうち、源泉徴収あり口座(利益に対して、あらかじめ税金が差し引かれている口座)については、確定申告をする必要がありません。しかし、A証券会社での取引は200万円の損をしているが、B証券では100万円の利益が出ていたとします。特定口座の源泉徴収あり口座は申告をしなくても良いのですが、トータルで見ると損(A証券損200万円+B証券利益100万円=損100万円)しているのに税金がかかってしまう事になります。特定口座の源泉徴収あり口座は申告をしなくても良いということは、「しても良い!」ということです。ですから、所得税の確定申告の時にA証券の損失200万円とB証券の利益100万円(所得税153,150円、地方税50,000円)の合算計算(損益通算)により、分離課税の株式譲渡の申告をすると、所得税153,150円、地方税50,000円の税金が還付され、100万円の赤字を3年間繰り越せます。ここまでは、大変有利に聞こえますが、後でとんでもない付けが回ってくることがあります。
 税務署への申告をすれば、市町村への確定申告をする必要はありません(税務署の申告内容を市町村に連絡するため)。個人住民税においては、あらかじめ引かれていた地方税50,000円が還付になりますが、株式譲渡所得や配当所得を申告したことにより年金収入などに加算され、国民健康保険や介護保険料、後期高齢者医療保険料の掛け金が、還付される税金以上に増えたり、医療費の窓口負担率が1割から3割に上がる場合もあります。厄介なことに、「じゃあ株式の申告は止める!」といっても、1度提出した申告書の取下げはできません!

Q2 どうにかする方法はないの?

 全額還付は受けられませんが、次の方法が考えられます。
 さきに説明しましたが、確定申告を税務署に提出することにより、個人住民税の申告をする必要はありません。しかし、税務署に提出した申告と同じ内容で個人住民税の申告をしなければならない訳ではありません。税務署への確定申告は、「上場株式等の譲渡申告を行うが、個人住民税の申告においては、上場株式等の譲渡申告をしない(申告不要制度を選択する)ことができます。そうすることにより、税務署からは源泉徴収されていた153,150円の還付と100万円の損失の繰延(Q1のケース)ができますし、個人住民税の申告においては年金などの収入だけで税金計算等が行われ、国民健康保険や介護保険料等への影響もなくなります。

Q3 手続きは、どうすれば良いの?

 居住地の市町村に確認してください!
 申請方法は、市町村によってバラバラです。福岡市にお住いの方であれば、令和2年分市民税・県民税申告書を税務課でもらって、住所・氏名・生年月日等を記載して(所得金額等は記載する必要はありません)、裏面の「7.課税方式の選択と配当割額又は株式等譲渡所得割額の控除に関する事項」欄の□申告不要制度を選択にチェックして、所得税の確定申告書の控えの写し(コピー)、上場株式等の年間取引報告書の写しを添付すれば手続きできます。なお市町村によっては、専用の届出書を用意しているところもありますので、確認してください。

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