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2020年度税制改正大綱決定!

 令和1年12月12日に、自民・公明党が2020年度税制改正大綱を決定しました。今回は、大綱のポイントをご紹介します。

・ベンチャー企業への投資で、法人税を軽減!

 企業が1憶円以上(中小企業は1000万円以上)の投資(特定株式の取得)をベンチャー企業(特別新事業開拓事業者)に対して行った場合は、出資額の25%を課税所得から控除(損金算入)できる。これは、持続的な経済成長を促すため、法人が持つ巨額な内部留保をベンチャー企業への投資を呼び込むことを目的としている。企業の内部留保を投資に回す、いわゆる「オープンイノベーション税制」は、今回の改正大綱の目玉としている。

・企業版ふるさと納税の控除割合の引き上げ!

 企業が自治体に一定の寄付をした場合に適用される地方創生応援税制「企業版ふるさと納税」について、税額控除割合を現在の寄付額の30%控除から60%に引き上げ、適用期限を5年間延長する。地方創生の積極的な関与を促すことにより、地方への資金の流れを飛躍的に高めることを目的としている。

・寡婦控除の改正!

 寡婦控除対象者に、年間所得500万円以下の未婚のひとり親を追加。これにより、未婚のひとり親は課税所得から最大35万円の控除が可能となり、所得税・住民税が軽減される。また、男女間の格差をなくすため、男性の寡夫控除適用要件とされている年間所得制限500万円以下の条件が女性にも適用される。寡婦控除額は男性27万円であるが、子供のいる男性は控除額を35万円に引き上げる。全てのひとり親家庭の子供に対して、公平な税制を実現するための措置とされている。

・未利用地の活性化のため、100万円の特別控除創設!

 利用されないまま所有されている土地のうち一定のものに係る譲渡所得を対象に、100万円の特別控除を設ける。未利用土地等の活用促進により、地域の価値向上を支援する目的がある。

・所有者不明土地等の固定資産税を使用者に課税!

 近年増加している所有者不明土地等については未登記のものが多数あり、固定資産税が賦課できないこと等が問題となっている。そのため、土地の所有者が不明な場合であっても、実際に土地等を使用している者を所有者とみなして課税できるものとする。

 以上、今回の大綱内容を一部紹介しましたが、このほかにも多くの改正事項が検討されていますので、ご注意ください。なお、2020年度税制改正大綱決定を受け、通常翌年(2020年)3月末頃までに通常国会に税制改正法案の提出が想定されますので、注視する必要があります。

*ワンポイント*

「税制改正大綱とは」
 税制改正大綱とは、与党(自民、民主)が税制調査会を中心に、翌年以降にどのように税制を変えるべきかを各府省庁や業界団体の要望を踏まえて話し合い、まとめたものです。景気や雇用情勢、財政健全化などを総合的に勘案し、税制改革の内容を細かく定め、政府・与党が毎年12月中旬頃に発表します。これを受けて、政府は大綱に従って通常国会に税制改正法案を提出することとなります。

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